ゼノブレイド3

ゼノブレイド3の感想でも。クリア時点でプレイ時間は110時間くらい。サブクエストはほぼ消化済み。

ゼノブレイドシリーズのネタバレを含むので、遊ぶ予定のある人は見ない方が楽しめると思う。というか、何もネタバレを見ないでとりあえず1(DE)を遊んでください。

 

 

・全体的に

面白くなりだすのに20〜30時間かかった。一部の設定が突飛に感じられたことと感情移入にある程度時間がかかることに加えて、何より戦闘の全要素開放までにそのくらいの時間がかかる…。アーツキャンセル、2のときはわりと初めの方でできていたのに、なんでこんなに遅かったんだろう。都度オートアタックを挟まないといけないのは普通にストレス。

最強装備、ユニークモンスター狩り、隠しキャラクターの覚醒クエストはまだこれからだから、やりこみと言える部分はそんなにやっていない。

 

・ストーリーと世界観

なんか、なんかなんかなんか。いや、惜しいというか。中盤の盛り上がりがとんでもなくて。「ゼノブレイド3始まったな」と5回くらい言いながら遊んでいたのに、なんでメインストーリーの終盤がああなの〜〜〜! エンディング自体はご都合主義でもないし、余韻があって結構好きな終わり方なんだけれど、如何せん諸々説明不足だし、ラスボス戦が面倒なのとカタルシスがないのが残念だった。もう一山くらいあってもよかった気がする。あと、エンディングで一瞬映ったとある写真を見て度肝を抜かれた。いや、それはちょっと、確かにあるキャラクターの救済にはなっているのかもしれないけれど。驚きのあまりエンディングの内容がそこから頭に入ってこなくなった。

一方で、クエストなどのサブストーリーは過去作と同様に世界観の理解にかなり貢献しているし、作りも丁寧で非常によかった。え、どれだけ連続クエストあるの?ってなるくらいには。1つの問題を解決する→そのことをきっかけにして連鎖的に別の問題が発生→人間関係が生まれてまたイベントが発生。こういった要素が無数にある。このあたりが1〜3を遊んで感じたゼノブレイドシリーズ特有の面白さで。ゼノブレイドって、モブがモブじゃないんだよな。一人ひとりに生活があって生きているということへの描写に異常なくらい力を入れている。少し脱線するけれど、味方だけではなく、敵も同じで。モンスターが他のモンスターを追いかけ回していたり、拾ったアイテムを落としてしまったり、番や親子で揃って歩いていたり、モンスター同士で星を見ながら語らっていたりする。この空気感? ただ倒されて経験値になるためだけの装置じゃなくて、その世界を構成する要素になっているところが魅力的。皆生きているんだな~と思うし、それがストーリーのテーマの1つになっていたりする。特にゼノブレイド3は、この感覚を味わうまでサブクエストや冒険を楽しんだかどうかでエンディングの受け取り方や重みが大きく変わるのではないかと思う。

 

・キャラクター

悪役は数が多い割に印象に残っていないかも。一方で主人公たちの印象的ははっきり分かれていて、ノア・ランツ・セナは若干違和感を覚える部分があり、ミオは普通、ユーニ・タイオンは非常に魅力的だった。

ノアは主人公なのだけれど、なんというか、感情の起伏が発生する場面がちぐはぐに感じた。元々感情が薄すぎて違和感があったところ、終盤はかなり熱くなっていて、その変化のきっかけがよくわからなかったというか。感情移入がしづらいキャラクターだった。ランツとセナは描写不足だと思う。特にセナのストーリークエストはほぼ別のキャラクターの話で、過去に全然焦点が当たっていなかった。もっとセナ単体への掘り下げがほしかった。

ミオは、うーん。そんなに印象に残っていないというか。「私のノアと2人で歩きたい」がすべてだった。あの台詞はめちゃくちゃ好きだな。あと、某イベントの後で選択肢が出るのは良かったと思う。

ユーニとタイオンは凸凹の組み合わせだけれど、深い信頼関係を築き上げるまでの過程がきっちり描写されていてよかったな。ユーニはさばさばしているし男勝りだけれど、人一倍繊細な部分がある。タイオンは一番好きかもしれない。おもしろ黒人枠だと思ったら、めちゃくちゃ良いキャラじゃん。慎重で、仲間想いで、あまり素直じゃなくて、でも誰よりも周りを見て気を配っている。仲間を信頼し始めてからは頼ることを覚えたり、素直に色んな話をするようになったり。間違いなくタイオンだな。おいしいハーブティー作れるし。

 

・戦闘

過去一(ゼノブレイドクロスはやったことない)でわちゃわちゃしている。カスタマイズが幅広くできて楽しいけれど、戦闘の仕組みを理解するまでは自由度が高すぎて逆に難しいかも。あと、単純に要素が多い。戦闘時間が長くなるので、チェインアタック演出のスキップ機能は欲しかったかも…。2みたいなチェインアタックの多用はできなかった。

 

・音楽

クロノ・トリガーなどの光田康典が中心に作曲しているらしい。どはまりした曲はなかったけれど、敢えて好きな曲をあげるとしたらエルティア海昼のBGM。中盤のピアノの似たものを繰り返すぽつんとしたメロディーと、終盤の弦楽器の雰囲気が好きだった。広いエリアだったからから単純に長時間聞いた曲でもある。あとは、キャンプ中の曲が印象的だった。ヴァイオリンの開放弦2本を繰り返し弾いているメロディーで、なんとなく弾いている状況が思い浮かぶというか。クラシックでその音の組み合わせを見たことはあまりない気がして、面白いなと思った。あとは普段弾いているからかもしれないけれど、開放弦の音に謎の安心感を覚えるというか。調弦のときに絶対弾くし。その安心感が、キャンプという味方だけがいる場所と妙にマッチしていて私は好きだった。その他、1と2の曲のアレンジが使われている場所もあって、関連するキャラクターの心情を思うと何とも言えない気持ちになった(褒め言葉)。

物語中何度も笛の音を聴く機会があって、物凄く耳に残っている。横笛? なんか、自分は縦笛の音が結構好きなのかと思っていたけれど、木管の音が好きなのではないかと思い直した。鋭い音というよりは温かみのある音。思えば、自分の弾く楽器でも高音よりかは深みのある低音が好きだし、アコースティックギターの音とか大好きだし、そういうのが好きなのかも。

 

・最後に

ゼノブレイドらしさが何なのか、ナンバリングの3作すべて遊んでなんとなく理解できたように思う。RPGというクリアまでに時間のかかるジャンルだからこそ描き切れるもののような気がしていて、すごく好感を持った。主人公たちの非日常的なイベントのみならず、普通の人が暮らしている日常をここまで丁寧に描くゲームも他にあまりないのでは。

3のDLCでのストーリー追加は予告されているものの、1〜3の一連の物語はおおかたこれで完結しているように思う。全部やってよかったな。あるキャラクターにはその心情に想いを馳せて苦しくなり、あるキャラクターにはエンディングで驚きのあまり何かが吹き飛び。ストーリーや設定は3のみだとそこまで理解できなかったかもしれない。個人的には1が一番面白かったので、ゼノブレイドシリーズを遊ぼうと思っているならば、とりあえず1(DEがおすすめ)を遊ぶことをおすすめします。

ちなみに、1〜3を通して一番好きなキャラは結局1のフィオルン。シュルクとフィオルン、お互いに対する信頼が初めからカンストしていてめちゃくちゃいい。作ったご飯をシュルクに食べてもらって、いつもおいしいとしか言われないからすごくおいしいと言わせてみせると意気込んでいるところ、めちゃくちゃ好き。なんか、こういうのいいな~と思う。信頼と愛情で結ばれているというか。

2のニアも好き。吹っ切れて素直に気持ちを伝えるシーン、あれでめちゃくちゃ好きになったな。自分の気持ちを伝えるって簡単なことじゃないと思う。こう、一時的な爆発力で何とかするんじゃなくて、自分で認めて、伝えたいと願って、実行することの難しさというか。散々葛藤した上で吹っ切れて過去も踏まえて覚悟決めて、というのが彼女の魅力だと思う。

ゼノブレイド絡みだと次やりたいのは2DLCのイーラかな。とりあえず今やっているペルソナ5無印を終わらせたら? でもそろそろポケモンの新作が出るから微妙かも。資格の勉強もあるし料理もしたいし、なんか忙しい。