2023.02.19

キングダムハーツのコンサートに行ってきた。ゲーム音楽系のコンサートは初めて。申込みをした結果まさかの遠征になり、しかも当日にチケットを改めて確認するまで開演時間を間違えていて、色んな意味でどきどきした。

てっきりパンフレットは入るときに貰えるものだと思っていたから、別売りだと知って驚いた。入口で貰った紙のどこにも曲目が書いていない衝撃。冷静に考えてみると、クラシックのコンサートは基本的に曲目が公開されているものだけれど、一般的なコンサートはそうではないというだけかもしれない。それだと「この曲が聴きたい」ではなく、「このアーティストの演奏が聴きたい」とかそういった動機で行くのかな。あまりピンと来ていない気がする。兎にも角にも、今回はこれも経験と思ってとりあえず買ってみたけれど、価格はちょっと高めに感じた(2500円)。こんなものなのかな。ただ、紙や装丁がすごくしっかりしているし、残しやすいものではあると思う。

 

ブラスバンドと聞いていたけれど、舞台を見たらコントラバスが一丁置いてあってちょっと面白い。目立つ。弦はぱっと見た感じハープとそれだけ。「ブラスバンド」という言葉は聞き慣れないから事前に調べていたのだけれど、厳密に使われているわけではないのかもしれない。基本は金管と打楽器だけと書いてあった気がする。実際にドラムだったり、打楽器の種類が豊富。着席すると楽器の音が漏れ聞こえてきて、良い意味で落ち着かない。直前までイヤホンで聴いていたのがバッハのシャコンヌだったから、金管まみれの音を聞いて気持ちががらっと切り換わった。サックスの音いいな。何だかオーボエクラリネットも入っているような。

舞台で行われる最初のチューニングの時間がとても好き。弦が全然ないから音の雰囲気が違って面白かった。かなり多めの音を細かめに鳴らして調整していた楽器もあって、何目的の音だったのか気になった。

曲目について。とりあえず、去年BbSのテラ編をクリアしておいて本当によかった(そのうち感想を書く)。ラスボス戦のBGMが好きだったから今回たまたま演奏されて嬉しかった。あとはちょっと明るめにアレンジされていたけれど、生でホロウバスティオンが聴けて満足したようなところがある。何気に昔からずっと好きなフィールドBGM。メドレーではなく単体でしっかりと聴けたのがめちゃくちゃ嬉しい。全体としては3の曲が多く、そこまで遊んでいればもっと楽しめたのだろうけれど、金管打楽器主体の音楽を聴くのは新鮮でかなり楽しめた。

演奏中は人数の関係なのか、複数の楽器を担当している人がちらほら見られた。打楽器複数とか。銅鑼を叩いて、トライアングルを使って、謎の太鼓を手で叩いて。何だか忙しそう。金管だとソプラノサックスとアルトサックスの両方を持っている人がいて、素敵だなと感じた。感覚的にはヴァイオリンとヴィオラの掛け持ちみたいなものなのだろうか。

フルートの音、今回のコンサートと先日知った曲の影響でかなり好きになった。Roxasのメインテーマが生の音だといい感じで。掠れた音が好き。ティンパニもよかった。ある程度音を出せる楽器の良さ。元来大きな音は苦手だけれど、戦闘曲はそれもありかもしれない。盛り上がる部分でテンションも上がるし、何よりかっこいい。

こう弾くとこう聴こえるみたいなの、たぶんあるんだろうな。木管がレガートで吹く中で、木製の鍵盤楽器マリンバシロフォン?)が同じ音を細かく鳴らしていると、全体的にもまるで細かな音を鳴らしているように聴こえたりとか。ピアノ1台だと弱いけれど、他の楽器と組み合わせるだけで似た音色でそこそこの主張になるとか。3階席にいたから全体の動きが見渡せたのもそう感じた理由の一つかも。音的には違った席の方が良いのかもしれないけれど、そうやって見るのも楽しい。

 

生のコンサート特有の感覚が久々に味わえてよかった。聴覚以外はすべて失くすというか、持っていかれるというか。音を聴いているというよりかは、気がついたら音だけの世界に身を埋めているかのようなあの感覚が好き。オペラやミュージカルは人の演技も観るものだから、そういった楽しみ方はできない。楽器を弾いているときも、弾いている自分を意識するから同じような感覚にはならない。音を目一杯堪能したし、コンサートの良さも再確認した。また行きたい。