犬と猫

犬と猫どちらが好き?ってテンプレの質問、訊かれたら猫が好きと答えるけれど、そもそも犬と猫がセットみたいに扱われることが以前は若干よくわからなかったというか。両方ともペットとして人気な動物で、そういった観点からは理解も納得もできるにはできるけれど。端的に、自分が犬に興味がなさすぎた。人間じゃなくて、ペットとして人気で、吠えてくるもの。なんか、それだけで特に何も思ったことがなく。大きいなとか小さいなとかふさふさだなとか思うことはあっても、それは個体ごとの特徴でしかなくて。犬でも猫でも人でも同じ。猫は造形、毛並みの手触り、独特の動き、鳴き声、どれをとってもわりと好きだけれど、犬に対しては無だった。嫌いですらない。

 

そんな過去の自分からは想像もできないような変化。というのも、ここ1、2年で犬をかわいいと感じ始めた。犬はふわふわしていたり、犬種によってはかっこよかったり。なんとなくぬいぐるみが動いている感じ、なんでこんな生き物が生きているのか若干不思議に思うときがある。小さい子を見たときみたいな。そして何より素直で感情がわかりやすい。犬に表情があるって知らなかった。飼い主に対する表情、行動、態度。喜怒哀楽? 傍から見ている分にもそこそこわかる気がするのに、なんで最近になるまで何も感じ取れなかったんだろう。0が1になったような感覚だった。こちらに来てからたくさん散歩している犬を見たからなのか、内面的な変化なのか。いずれにせよ、確かに犬には犬の良さがあるみたい。どちらが好き?と問われたら、まあ猫なんだけれど。

 

犬と猫どちらが好き?がテンプレであれば、犬っぽい猫っぽいというのもありがちな表現で。ところで、猫っぽいと言われることはあれど、犬っぽいは言われたことがない。遠い昔に、自分が猫っぽいなら相手は犬っぽい人じゃないと上手くいかないのかな〜と考えた記憶がある。マイペースって意味かなと思って。でも、ストレートな好意って、受け入れる側にもある程度の何かが必要かも。伝わるものも伝わらない気はするから、伝えたかったら素直に伝えた方がいいとは思うものの。書きながら自分に刺さりまくっている。

 

中学生の時、同い年の知人から淡いピンクのローズクォーツのストラップをプレゼントされたときに、「相手からするとこういうイメージなのかね」と色んなニュアンスを含みつつ親から言われて。綺麗なものをもらって嬉しい以外に何もなかった自分に「そういうイメージなのかな」って考える部分が少しできた。色を選ぶって、何気ない選択だけれど諸々出る気がする。相手が好きなものか、自分が好きなものか、似合うと思ったものかとか。可能性は様々だけれど。脱線した。それからだいぶ経って、数年前に別の人から猫をモチーフとしたネックレスをいただいたことがあって。今でもかなりのお気に入りで着ける機会もそこそこあり、すると相手から見て私はこういうイメージだったのかなとふと思う瞬間がある。あの人、どちらかというと犬っぽかったな。私の勝手なイメージだけれど。