三連休

先週の思い出。

 

土曜日。

コンサートに参加するために移動。荷物をリュックサック1つにした結果、物理的にも心理的にも軽めの負担で移動できた。

 

到着してからパンを焼いてみた。1斤と1.5斤の食パン。正確に材料を量るのが重要らしく、お菓子作りもそうだけれど、こういった正確性が求められるものは向いているのかもと思った。

生地を作っていると段々もったりしてきて、いつの間にかまとまってくる。丸く整形するととてもかわいらしい。大きなお饅頭みたい。寝かせて少し膨らんだ生地を再度捏ねているとき、物凄くパン作りに一生懸命な自分がいてちょっと面白かった。料理は常に次の作業を頭の片隅に置きながら行うけれど、パンって捏ねるだけとかそういった時間が多い。材料も比較的少ないし、最初にまとめて量っていれば大丈夫。真剣に取り組む中でもおいしくなってほしいな〜と念じる余裕があるというか。これがパン作りの良さかもしれない。必ずしものんびりやっていいわけではないけれど。発酵させているときに数十分ほど時間が空くから、そこで別のことができるのもいい。

生地を巻いて型に入れているとき、海外でシート状の生地をくるくる丸めてクロワッサンを焼いていたときのことをふと思い出した。20年ほど経って、なぜか食パンを生地から作っていることを思うと若干不思議な気持ちになる。今も昔もパン作りはとても楽しいかもとふと感じ、あのときの私も楽しかったんだなと他人事みたいに思った。その後、発酵して倍くらいに膨らんだ生地を見て謎の愛着がわいてきた。名残惜しいけれどオーブンに入れて焼き始める。丸いのはここまで。

焼き立てのパンを出すとちゃんと四角くなっていて驚き、その香りの良さにまた驚いた。バターとイーストの香り。少し放置してある程度表面を冷ましてから切ってみる。切った瞬間湯気が出た。食べてみるとふわふわで、なめらかでしっとりしていて、耳までやわらかくて。めちゃくちゃおいしい。今まで食べた中で明らかに一番のおいしさ。これは好きかも。

小さめのものは顔を見に行くついでに親戚の家に持っていった。どうやら相手はパンが好きだったようで、非常に喜んでくれた。元気そうでよかった。

 

夜、食べたいものはないかと訊かれて、ぱっと思い浮かんだものを正直に答えた。これが好き、あれが好き。時と場合によっては中々出てこないだけで、ないわけではないらしい。

 

この日のご飯は猪鍋。大好物の1つ。事前に猪鍋にする?と訊かれていて、食べたかったからそれがいいと返したら本当に作ってくれた。正直に言ってみてよかったなとちょっと思った。

 

 

日曜日。

コンサート当日。夜の開演だと思っていたところ、念のためチケットを確認したら15時開演だった。なぜ夜だと思っていたのだろう。おそらくこれまで行ったことのあるコンサートが軒並み夜開始だったからだけれど、思い込みが過ぎた。危ない。

感想は既に書いたとおり。全身が音で満たされて非常に満足した。音楽っていいな。

 

ホグワーツレガシーを見せながら、周りの人が理解している元ネタを自分がまったく理解していないことに気がつく。映画も全部観たわけじゃないし、チェスの場面が好きなくらいで他は何も覚えていない。この間、他の人ともハリーポッターの話をしたときに本をおすすめされて、どこかで読んでみたいなと思っていたことを思い出した。文庫本があるのかな。ハードカバーのものなら実家に全巻あるから帰省時に読むのもいいかもしれない。時折庭を眺めながら紅茶を飲みつつ本を読むやつをやりたい。これから良い季節だし、機会があれば。

 

晩ご飯は前日のリクエストに応えて手作りコロッケ。素朴な味で好きなんだよな。安心する。手料理で食べたいもの、前に来たときには何も頭に浮かんでこなかったのが引っかかっていて、本当にないのかなと疑問に思った。日々を意識して過ごしていたら好きなものなんてたくさんあったんだよな。何もないと思われていたら嫌だなと感じていたから、今回は伝えられてよかった。手間のかかる料理なのに作ってくれて、本当にありがたいと思う。

机に置かれたウスターソースカゴメのものではなく、やたらとおいしいものだった。きつくなくて上品な感じ。おいしいコロッケにおいしいソースの組み合わせ、おいしくないわけがない。味が濃いからソースがあまり好きではなく、何ならたこ焼き(そもそもあまり食べない)やお好み焼き(ポン酢派)ですら普段はかけずに食べるのだけれど、今回はコロッケ(普段何もかけない)に好んでかけて食べたくらい。箸休めのキャベツの千切りに絡めて食べるのもおいしかった。揚げ物をするなら自宅にも1本ほしいけれど、しないから今はいいかな。

ご飯を食べようとしたときに下の子が真横に陣取ってきたのが面白かった。なぜか適度に構いながらご飯を食べる羽目になる。こんな出来事もあと何回あるのかなとぼんやりと思ったりして。おそらく今だけなのだろう。

 

食後の紅茶、かなり印象的だった。香りも渋みもない紅茶はとても不思議な味がする。お水って大事なのね。日本に生まれてよかったと心底感じた。良い勉強になった。

 

雨音がかなり響いていたものの、疲れていたのかこの日はベッドに入ってすぐに眠れた。

 

 

月曜日。

何だか変な夢を見た。あまり好ましい内容ではなかったけれど、涙は出なかった。

 

元々前日のコンサートが夜の開催だと思っていたため、ゆったり過ごすためにお休みにしていた。楽譜を漁っていたら少し楽器を弾かせてもらえることに。以前持ったときは大きく感じた楽器が今は普通のサイズに感じて、少し拍子抜けした。音も物凄く大きかった記憶があるけれどそんなことはなくて。たぶん楽器そのものではなく、私の音が変わったということ。胸につかえていたものが1つ取れたような気がした。