2022.08.27

8/24で付き合い始めてから1年が経つらしい。ということは、気持ちを自覚してからはもうちょっと経過しているはず。長いようで短いような。1年前の私と今の自分とは別人だと思う。いつも通り会って、ご飯を食べて、くだらないことを言い合って、別れて、また次の機会に。それだけだったはずなのにな。今思えばこそ兆し自体はその前からあったのかもしれないけれど、あんなに一瞬で何かが自分の中で変わるものなんだなって。1回経験したから2回目に踏み出すことにそこまで躊躇がなかったとはいえ。やっぱり、あれは他人の、それも異性の存在を初めて自分から意識した瞬間だと思っていて。なんであのタイミングだったんだろう。

たぶん元々人があんまり視界に入らないタイプの人間なんだけれど、その時から例外ができた。ずっと頭の片隅に誰かがいるという経験をしたことがなくて、だから、彼は特別で。でも、上手くバランスが取れなくてしばらくは調子が悪かった。付き合い始めて半年くらい経ってから、職場の先輩との関係とかに悩む中で、なんとなく「人ってそれぞれ違う個体なんだな〜」と思うようになり。そのうち植物の葉ですらそれぞれちゃんと違ったものに見えるようになり。私が変わったのだろうけれど、なんとなく見える世界そのものが変わったくらいの勢いで情報量が増えた。目に入るものが増えたというか。結果として得たものは花の中でも紫陽花が好きかもしれないとか、そんな程度の実感なんだけれど。理由はよくわからないものの、自分の中での色んなものに対する実感が増せば増すほど、彼に向けている気持ちへの説得力も増したというか。色々私と違うとわかっても今のところ気持ちはなくなっていないし、むしろもっと好きになっているような気がするし、一時的に別のものに目を持っていかれたとしてもどこか戻って来られることがわかったから、やっぱり特別なのかなと。あくまで私の中での話だけれど。

一方で、この1年間あまり恋愛向いてないんだろうな〜と思うことも多くて。そもそも人に好かれるってどういうことかあまり感覚的にわかっていないんだよな。自分が0か100しかない人間なのが原因の1つなんだろうけれど、根本的に100のときしかそういうものを感知できていないというか。そもそもベースが0なんだよね。自分もデフォルトで0だし、何かに夢中になっているときには他のことは基本頭から吹き飛んでいるし。でも、ふと気がつくタイミングがあったりして。自分のこういうところよくなかったけれど、それでも注意してくれたりしつつ付き合ってくれていたんだな〜って実感した時とか、そういうの。そういう人のベースはちょっと0とは違うところにある気がする。中高の友人たちは長い付き合いで、ある時それに気がついてからなんか特別になった。

ところで、彼に対しては実は付き合い始めるまでそういうことを思ったことがなく。友人なんだけれど、そういった意味では少し特殊かも。異なった意見を持つ相手であんなに話せた人はいなくて。今は色々知ってしまったことだし、時間もないし、ああいった人との関わり方をするのは難しいだろうから、この先もいないんじゃないかな。きっかけ自体はあって、いつの間にか仲良くなっていたように思う。でも、たぶん私のそういった自然な感覚の先に恋愛感情はなかったんだよな。誰に対してもなかったけど。彼の話していた過去の会話、記憶にはなかったものの、良い意味でも悪い意味でも何も考えていない素の発言だろうな、と思った。相手に気を遣っていないというか。これ言ったら傷付くのかなとか真面目に考え出したら何を言っていいのかよくわからなくなるから、それだけ話せて心地よくいられた相手って、つまりはそういうことなんだよな。それでなんか上手くいっていたとなると尚更、そこから動くこととか動かすこととか想像できなかったんじゃないかなって。

彼が何度も言ってくれたように長い間好きでいてくれたとしたら、たぶん私が接していた彼はその大部分が私のことを好いてくれていた彼だったのだろうから、そういった意味で付き合ったところですぐに何かが変わるわけもないのだろうけれど、私はそのことにずっと無自覚なまま関わってきて。だから最初に付き合っている実感がなさすぎて混乱したし、今も好かれているのかよくわからないなって思っているのかな。たぶん思っていると思う。難しいな。ちょっとずつ嬉しかったことを貯めていけば、いつか心の底からそう思えるようになるのかもしれない。言葉とか、行動とか、表情とか。そういうもの。それには適切なアンテナが必要で、おそらくそれが壊滅的にない。

中学3年生の時だったと思う。仲の良かった恋愛体質のクラスメイトに「恋愛感情とかよくわからない」と伝えたら「ヌクレオチドミスでしょ」と言われたことがあって。当時あんまりな言い方にめちゃくちゃ笑った記憶がある。とはいえど、私はそういったものに憧れてこそいれどなくて困ってはいなかったし、そんなに当たり前のものなのかなって疑問に思いつつたまに思い出していたんだけれど。今になってめちゃくちゃ困ってるかも。自分にもこんな部分があったことを知って、10年越しに言葉を思い出して、こういうことだったんだな〜と思ったりして。ようやく最近芽が出てきて、腐りそうなくらいの勢いでせっせと水をやったり、上手くいかなくてしんどくなって放置してみたり、そんな感じ。人の気持ちを把握するのは元々苦手で。でも、向けてくれるものがあるならなるべく知っておきたいし、受け取っておきたいなと今は思っている。少なくとも1年前よりは素直に受け取れるようになったように思うけれど、どうなんだろう。

昨日書いたことは、どうやらちょっとした言葉の解釈の違いから始まったすれ違いだったようで。つまるところ杞憂だった。私の文章結構刺々しいみたいだから気を付けないとなあ。「ろくでもない」は彼にとって深い意味の言葉ではないらしく。照れ隠し、だったらしい。実際に顔を合わせて話していたらわかるのかもしれないけれど、文章で見ると全くわからないなと思って。そういった情報量の多いコミュニケーションが中々取れないのは残念だなとは思いつつ、私の感性が死んでいるだけなのかなとも思いつつ。もっと会えたらいいのにな。でも、どうなんだろう。例えば、通話で言われていたらわかったのかな。仮にそうだとしても、たぶん通話で私はあのメッセージを伝えられはしなかっただろうから、一長一短ってところかも。あの文章を送るかどうかだけでも1時間くらい迷っていた。普通に恥ずかしいし、以前記念日とか興味ないって言っていたから、送ったところでなんか一方的で迷惑かなと思って。でも、これも杞憂だったらしい。あちらが節目を意識していたことも、メッセージに対して嬉しいと感じてくれていたことも意外だったけれど、どう思っているのかがわかってほっとした。ちゃんと伝わっていたのかなって。あとこれは後から気がついたけれど、伝えてくれたこととかそういう風に考えてくれていたこととか、諸々嬉しかったな。紙に書いておいてくれって言われたけれど、紙がないから、思い出せるようにここに書いておく。

自分の気持ちをすぐに感知して伝えられたらいいんだけれど、いつも時間がかかるうえに、昔からの癖として考え込むと黙ってしまう。相手からすると話したことへの反応がわからないから困るんだろうけれど、そこを度外視してまで本気で考えないとわからないというか。なんか、上手く伝えられたらいいのにな。彼が音楽をやっている理由の1つはそこにあるらしい。私は会いに行くとか、連絡取るとか、食べ物押し付けるとか、たまに文章にするとか、その程度しかできないかも。自分の気持ちを相手に話すことはあまり得意じゃない気がする。そもそも口から出てこない。彼は彼なりに受け取ってくれているらしいけれど、せめてその場その場で嬉しかったこととか伝えられたらいいのになと思ったり。