瞠目

間違っていたのかもしれない、と思った。というより、おそらく間違っていた。何とか理解しようとして、十数年かけて自分なりに考えた法則のようなものが。それを述べて、その後自然と自分の言葉で否定してしまった瞬間にストンと落ちてきて、新たな理解が自分のものになったような感覚があった。変な気分。ここ半年ほど感じてきた違和感の原因がこんなところにあって、しかもこれまで持っていた理解とある種逆だった。これまでの努力が無駄だったような気分になって、でも元々自分が持っていた理解がなければ人と関わることなんて全くできなくて、自分の世界だけで閉じ切っていたことも想像に難くないので、まあこんなものなのかなとも思う。少しでもわかっただけ上出来だと思った方が良さそう。元々無い感覚だから仕方ないけれど、死ぬときには人並みに手に入れられていたらいい。

人生の半分ほどこの理解のもと過ごしてきたから、すぐに変われるわけでもないし、そもそも本当にこの理解が正しいのかもわからないし(また引っくり返るかもしれないし)、具体的にどう反映すればいいのかもあまりわからない。でも、ここ半年ほど感じていたしんどさも、3年ほど感じていたものも薄れた気がする。