夢の中で、なぜか高校の数学の問題を解いていた。来し方を振り返りながら取り組んでいると、学校の試験範囲についてあの子に話しかけられて、驚くと同時にとても懐かしい気持ちになった。目が覚めたとき、こんなに穏やかにあの子を思い出せたのは初めてかもしれない。
最後に会ったのは成人式の時。振袖を上品に着こなしていた彼女に誘われて、一緒に写真を撮った。それでも、夢で出会えるあの子はいつだって当時の姿のまま。中学の制服を着て、朗らかに笑っている。この先仮に再会することがあったとしても、きっと塗り換わることはない。私に青春があるとすれば、おそらくあの頃を指すのだろう。
今日は家に籠もりきり。買い物に行ったら菊でも売っていたのだろうか。ここ最近は連日外に出ていたから、たくさん眠ってゆったり休めてよかった。どうせ明日は出かけるし。
楽器を弾いていると、大抵自分の理想と外れているところに意識が向きやすくなるけれど、録音して聴く頻度を増やしてからそこそこいいなと思えることも出てきた。弾きながら聴いている音と、録音して聴く音から受ける印象は大幅に異なっている。意外と狙った方向性で音が鳴っていて嬉しい。気にしているポイントと気にしなければならないポイントのずれを修正するのに大いに貢献している。
あとは、たぶん単純に上手くなっている。音色は我ながら本当に良くなったと思う。音程はもっと突き詰めて作りたい。ビブラートは自分でかけているときはよくわからないけれど、録音して聴くと綺麗にかかっている。右手は苦手な動作を改善していきたい。
そういえば、昔は親が持っていた録音用の機械をこっそり使って録音していたことを思い出した。家の方針で携帯電話やスマートフォンを使えるようになったのがかなり遅かったから、録音した音や好きな音楽を聴くためにゲーム機を使おうとしたり、思いつく限りを試してめちゃくちゃなことになっていた気がする。間違えて元々入っていた録音を消してしまったこともあったような。若さ故の何とやら。
弾いているときは、あまり自分の音がわからない。前述の骨伝導を伴う聴こえ方の話ではなく、身体感覚が増幅されてから逆にそちらに気を取られて、前よりも音そのものに意識が向きにくくなったという意味で。以前は弾いている感覚があるようで全然なかったから、バランスが変わったというか。たぶん前の状態の方が不自然で、今の方が自然で楽しくて、それでいて大変になった。まだその変化に感覚的に順応し切れていなくて、弾きながら若干の不安を感じているのかもしれない。楽器の性質上色々気にすることそのものは悪くないけれど、必要以上に気にしないよう録音して確認する作業は大切だと思う。
クラシック以外のジャンルを弾く経験も上達に関連してそう。めちゃくちゃ音色が好みの演奏家も見つけられて、こちらもこちらで面白い。正直、音色の方向性はクラシックよりも好きかもしれない。何だかあたたかく感じる。ここ数か月かじってみて、人に習うことが重要だと一先ず理解し、本格的に習うことを検討し始めたのはいいものの、仕事が忙しくなって欲張りすぎると体が千切れそうだったから保留にしていた。でも、わりと欲張りたいよりに傾いてきている。突き詰めるとやりたいかどうかの一点で悩めるの、昔の自分にはなかった自由だなと思う。
最近ようやくわかってきたけれど、何だかんだ長年の積み重ねは確実に作用しているらしく、少し背伸びをしてみたら案外弾けたりするようで。以前は何を弾いても「弾けた」なんて微塵も思えなかったのに今はそんなこともなかったりして、釈然としなくても、まあ間違いなく上達はしているからそれはそれでいいのかなと思ったり。弾きたいと思ったら、その気持ちを忘れないようにしたい。
明日、新しい楽器を見に行くのが楽しみで仕方ない。どんな音色なんだろう。
物を買う前は、それだけの対価を払う価値があるかわりと考える方だと思う。先日、2年ほど使っていたイヤホンが断線した。気になって色んな人に話を聞いてみると、ワイヤレスイヤホンを使っている人がそこそこ多いことに気がつく。コードがないのが魅力的な一方で、自分の場合はあの大きさだと120％失くしてしまいそうなので、どちらかというとワイヤレスヘッドホンの方がいいかもしれない。冬にイヤーマフ代わりになりそうだし、以前からちょっと興味があった。
買うと決めたはいいものの、いざ気になったものをいくらか試聴してみてもあまりぱっとせず。デザイン、着け心地、音、ノイズキャンセリング。どのメーカーのものも三者三様で一長一短。比較的音が好きなものは着けていると耳が痛かったり、ノイズキャンセリングの性能がずば抜けて良くても価格ほどの良さを感じなかったり、低音がきつすぎて好みじゃなかったり。ただ、普段オーディオとか全然こだわらない（実家は別だけれど）私でも、分かりやすい違いが製品ごとにあるのが面白かった。ある程度の価格のものだから、個性がないと購入の決め手に欠ける気はする。そんな感じで、一度目は何も買わず退店。
数日後、日によって聴こえ方が違うこともあるかなと思い、もう一度足を運ぶ。お店に入ると、とあるヘッドホンが目に留まった。まだ視聴していないもので、色とデザインが非常に好み。価格も予算ぎりぎりくらい。とりあえず着けてみて、お気に入りの曲を聴いてちょっと驚いた。めちゃくちゃ楽器の音色が綺麗に聴こえる。音の拡がり？響き？を感じるというか。気に入って、店員さんに色々と質問してからそれを購入した。
今日届く予定なんだよな。楽しみ。長く大切に使いたい。
とんでもないことを言われた。とりあえず「お気持ちだけありがたく受け取っておきます」という上司の一言でその場は落ち着いた。そんなことがあるなんて思いもよらなかった。知らない感覚。心臓が跳ねた、と思った。仕事に関するすべてのストレスや重圧を一瞬撥ね退けるほどの力が、その一言にはあった。
というか、実は過去にも言われたことがあったらしい。それは初耳。
先日耳にした表現が思い浮かぶ。「暗闇の中をひたすら進んでいる感じなんですよ。」今がまさにその状況で。でも、あの言葉があるならまだまだ踏ん張れるなと思う。こんないいことがあるものなんだな。
お気持ちだけで充分ですってこういうことなんだな。伝わった。がんばろう。
残業は好きじゃない。ただ、今日は定時を過ぎたら頭がめちゃくちゃ回り始めて、チャンスとばかりに一気に片を付けられたのはいいものの、気が付いたら3時間が経過していた。頭を使うのは楽しいけれど、どうしても相手次第なところがあって、終わりが見えないと若干しんどくなる。人に軽い相談など持ちかけられることも増えてきたけれど、その分自分の案件に集中して取り組める時間は減っていて、試行錯誤中。元々どっぷり浸かるタイプだから上手いやり方を考えないと。
色々と考えながら食材をスーパーで買って帰る。薄めのリュックサックしか持っておらず、レジ袋も合わせて購入したら、店員さんがお会計をしながら袋の中に品物を入れ始めた。基本はセルフサービスなものだから驚いて顔を見たら、見覚えのある店員さんだった。いつも無表情で淡々と、それでいて丁寧に品物を扱ってくれるのが印象に残っている人。週末で疲れていたこともあってか、そのちょっとした心遣いが本当にありがたくて、受け取り時にお礼を言ったらにこにこしていた。この人も笑うんだな、と思った。
今日は引越しのお手伝いに参加した。頭痛が酷く、昨日も外出していたこともあって体力的には厳しかったけれど、そう頻繁にある機会でもないので、面倒くさがりな自分を叱咤激励して向かう。
世田谷区に行くのは初めて。大きめの高架と、飲食店と、長閑な緑と。人で賑わいつつも、少し入ったところには閑静な住宅街。マンションというよりは一軒家などが多く、良いところだなと思った。親しみを感じられる雰囲気。
道中にあった、誰もいない古びたブリキ店の佇まいが印象的だった。そこそこの人通りの中、しんとした空気が目に止まって、暗がりに射し込む光で少しだけ中の様子が見えることに気がつく。気になって覗き込んでみたら、床に雑多に置かれた物の中に一足の靴を見つけて、何だか心が和んだ。こちらで作業する方がいらっしゃるのだろうか。また機会があれば覗いてみたい。
諸々手伝いながら、やっぱり何かを組み立てるのは好きだと感じた。きっちりパーツが噛み合うように作りたくて微調整を繰り返す。ベッドの骨組みを調整するために下に潜ってスパナでネジを回しながら、なんとなく紅の豚を思い出していた。そんなシーンあったかな。ジブリの絵柄で潜ってスパナを持ってと、脳裏を過ぎったのだけれど。存在しない記憶かもしれない。
まあ、こういうのもたまにやるからこそいいのだけれど。月1くらいで何かしらやっているものの、大型の家具を組み立てる機会が得られて非常に満足した。疲れたから今日はぐっすりと眠れそう。楽器を弾いて、楽語を調べて寝る。
好きな服を着ていると良い気分になる。今の季節は風が強くて、スカートの裾が靡いたときのシルエットの変化がお気に入りだったりする。自分の体型に合っているし、今の髪型にも合っている気がするし、びびっと来たときに買ってよかった。
直感的に惹かれたものについて、買ったあとに後悔したことはあまりないかも。好きなものがたまたま凝ったデザインでも値が張る場合でも、これだと思ったら買うようにしたい。思えば、めちゃくちゃ好きなものは昔から価格を度外視してぽんと手に入れてしまうところがあるから、今の感覚のままでいいのかな。
最近若干煮詰まっていたけれど、GWに友人たちと会って、いつも以上に長く深く話をして元気を貰った。今日に至っては天気のいい中一緒に散歩もできて、何だか新鮮だった。
人生の半分以上仲良くできていることって、当たり前じゃないことで。普段は遠くに住んでいるのに急遽連絡を入れて誘ったり誘われたり、お互いの悩みや価値観について深く話し合ったり、そんなことができる関係を誰かと築けていることは1、2を争うくらい有り難くて、幸運なことかもしれない。
明日明後日はゆったり読みたい本を読みつつ勉強かな。新しいことを1つ始められたし、たくさん歩いたし、人とも話せたし、何だかんだ充実したGWを過ごせてよかった。
